インプラント
インプラント
インプラント治療とは、失った歯の代わりとしてあごの骨に人工の歯根を直接埋め込み、それを土台にして人工の歯を取り付ける治療法のことです。
従来は、歯を失った治療法としてブリッジや入れ歯が一般的でしたが、近年はインプラント治療を希望される患者様が増えています。
インプラントは、自分自身の歯と同じようにあごの骨の中に埋め込まれているため
固いものでも良く噛める。
義歯の場合だと、かみ合わせた時の力は自分自身の歯の場合の1/3程度まで低下することが分かっています。
歯を喪失した場合、欠損歯の代わりとなる人口の歯を両隣の歯のかぶせ物と一体化させてつくる
ブリッジという治療法がありますが、この場合は欠損歯の両隣の歯を削らなければならないのですが、インプラントの場合はその必要がありません。
ブリッジ治療法
インプラント治療法
奥歯の場合、かみ合わせの力は数十キロにもなるのですが、インプラント自体がかみ合わせの力を負担してくれるので、両隣の歯を守ってくれます。
自分自身の歯が生えていた時の状態をもっとも近似的に再現できるので違和感が少なく、見た目が自然にできます。
日帰りで1~2時間程度の手術が必要になります。
インプラントを入れたあとは、骨と結合するまで待つ必要があります。
症例によりますが、診断から治療終了まで6~12ヶ月くらいかかることが多いです。
治療費は10割負担になるため、保険治療と比較して高額になります。
インプラントを正しく埋入した場合でも、約3%程の確率で骨と結合しない場合があります。骨の条件が悪い場合は成功率が
下がります。
骨とつかなかった場合は、一度除去して、再度埋入するか、別の方法で歯を補うことになります。
1
治療前の検討
レントゲン写真や歯周病検査の記録、歯型の模型などをもとに、どの位置に何本インプラントが必要かを検討します。
2
3Dシミュレーション
CT撮影等を行い、顎の骨がインプラントに適した状態か、どのインプラントをどういった術式で埋入すべきか等をシミュレーションします。
3
検査結果を元にカウンセリング
①②で得た資料とシミュレーションをもとに、インプラントの治療計画を作成し、患者様の希望も聞きながら最適なプランをご提案します。
また、この時点で詳細な料金のお見積もりや、治療にあたっての細かい注意事項をご説明し、患者様の意思の再確認を行います。
4
サージカルガイドの作製
必要に応じて、3Dプリンターを用いてサージカルガイドを作成します。
サージカルガイドは穴のあいたマウスピースのような装置で、ガイドを用いるとCTシミュレーション上のインプラントの位置・角度を実際の口の中で正確に再現することができます。
5
インプラント手術
インプラントを入れる手術を行います。
支えとなる骨が不十分な場合は、他部位の骨や人工骨を移植する術式などを併用することもあります。
手術は1回法と2回法があり、1回法ではインプラントの頭のパーツが歯茎から見えている状態で手術を終えますが、2回法の場合は歯茎の中にインプラントを埋めてしまって治りを待ちます。
6
インプラントと骨の結合
インプラントが周囲の骨と結合するのを待ちます。
患者様の骨の状態にもよりますが、2~6ヶ月くらいの期間がかかります。
7
二次手術(二回法の場合のみ)
歯肉を再度切開して、インプラントの頭出しを行います。
8
仮歯の作製
型取りを行い、仮歯(チタンの芯+プラスチック)を取り付けます。
この際に、かみ合わせや舌の違和感、頬を噛むなどといった問題がないかを確認し、調整します。
9
被せ物の装着
再度型取りを行い、最終的な人工の歯を取り付けます。
10
メンテナンス
清掃方法の指導をさせていただき、定期的なメンテナンスで管理していきます。
インプラントはメンテナンスが重要です。
インプラントのメンテナンスでは、通常の歯のクリーニングに加えて、以下のようなことを行います。
インプラント周囲炎等の有無の診断(視診、触診、レントゲン検査、ポケット検査など)
※インプラントの清掃法の再確認と指導方法をお伝えします。
専門器具(エアフローなど)を使った、インプラントと歯茎の境目のクリーニングを行います。
必要に応じて、人工歯を外しての確認と消毒清掃を行います。
残念ながら、先天性疾患等のよほど特殊なケースでない限り、インプラントは保険適用にはなりません。
自由診療となり、ケースによってかかる料金も変わってくることがあります。
保険治療の自己負担額と自由診療の負担額の合計が年間で10万円を超える場合は、医療費控除の対象となる場合があります。
ただし、どこまでが控除の対象となるかの基準は明確でないため、必ず控除できるとは言えません。
控除の申請をお考えであれば、国税庁のホームページをご覧いただくか、お近くの税務署にお問い合わせください。
インプラントは保険外診療であり、料金は歯科医院ごとに個別に設定されています。
使っているメーカーや術式の違い、治療後の保証の違いなどにより、料金設定は変わります。
国内で販売されているインプラントの種類は多数あり、その信頼性もまちまちです。当医院では、国内メーカーでシェア第一位の京セラのインプラントを用いてます。また、歯科医院によっては、骨に埋める支えの部分だけの料金が記載されていることがあります。
その場合、人工の歯やそれを取り付けるための部品などの料金が別途かかります。
インプラントをお考えの場合は、当医院を含め、料金の内訳を必ず確認するようにして下さい。
インプラントを入れるために顎の骨に穴を開けますが、直径4mm程度のものであり、それによって骨がもろくなるということはまずありません。
逆に、インプラントで噛み合わせを回復することで、骨に適度な圧力が伝わり、周囲の骨が丈夫になることが知られています。
これは、入れ歯やブリッジでは得られないメリットと言えます。
インプラントはチタン合金でできており、十分な強度があるため、通常の噛む力で壊れることはまずありません。
ただし、極端に強い歯ぎしりや食いしばりがある方は、ごく稀にインプラントが壊れることや支えている骨がダメージを受けることがあります。
そういったケースの多くは事前に予測ができるため、食いしばりの癖を直すことや、歯を守るためのマウスピースをご提案することもあります。
むし歯があっても、歯磨きがしっかり身についていればインプラントは可能です。
歯周病がある場合には注意が必要です。
インプラントは、天然歯以上に歯周病になりやすく(インプラント周囲炎といいます)、歯周病治療をしっかり行った上でインプラント治療を開始します。